ランナー膝
ランナー膝、 正式名称は腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は、 膝の外側に痛みを感じるスポーツ障害です。主に長距離ランナーに多く見られることから「ランナー膝」 と呼ばれていますが、他のスポーツでも発生する可能性があります。

症状
・膝の外側(やや上部) の大腿骨外側上顆周辺に痛みが生じる。
・初期は運動中や運動後に痛みを感じ、 安静時に痛みが消える。
・ 症状が悪化すると、歩行時や安静時にも痛みを感じる。
原因
ランナー膝の主な原因は、荷重や下肢のねじれとオーバーユース (使い過ぎ) です。 膝の屈伸運動を繰り返すことで、 腸脛靭帯と大腿骨外側上顆が摩擦し、 炎症 (滑膜炎) を起こします。
リスク要因
・陸上競技者、特に長距離ランナー
・膝に繰り返し負荷のかかる動作を行う競技者 (自転車、スキー、登山、 バレーボールなど)
・ランニング初心者や下肢の筋力が弱い人
・下肢の筋肉が硬い人
・O脚 (内反変形) で体重が外側にかかりやすい人
診断
医師の診察、超音波画像検査 MRIなどでランナー膝の診断を行います。 Grasping test (グラスビングテスト) という簡単なセルフチェック方法もあります。
治療法
1.保存療法(安静・ストレッチ・リハビリなど)
2. 運動環境・フォームの改善療法
3. 外科的治療 再生医療
ランナー膝の治療には、まず保存療法が試みられ、症状の改善が見られない場合に他の治療法が検討されます。
予防方法
適切なトレーニング
1. 正しいフォームの維持
・ 背筋を伸ばし、体を軽く前傾させて走る。
・足の中部から前部で着地し、 かかとから着地しない。
2. 適度なペース設定
・無理のないスローペースで走る。
・インターバルトレーニングを取り入れる。
3. 筋力トレーニング
・太ももと臀部の筋力を強化する。特に大腿四頭筋を鍛える (スクワットなど)。
適切な準備と回復
1. ストレッチとウォームアップ
・ジョギング前後に入念なストレッチを行う。特に内転筋 腸脛靭帯、 大腿四頭筋を重点的にストレッチする。
2. 適度な休息
・痛みを感じたら無理をせず休む。
・軽い痛みや腫れがある場合はアイシングを行う。
適切な環境とギア
1. 適切なシューズ選び
・クッション性の高いランニングシューズを使用する。
・自分の足に合ったシューズを選ぶ。
2. 走る場所の選択
・コンクリートやアスファルトを避け、 トラックや芝生など柔らかい地面を選ぶ。
3. サポーターやインソールの使用
・必要に応じて膝をサポートするギアを活用する 。
これらの予防方法を日常的に実践することで、ランナー膝のリスクを軽減し、長期的に安全で楽しいランニングを続けることができます。